中高一貫校のニュースで教育の階層分断を感じて昔の先生のお話を思い出した
茨城の中高一貫校のニュースをみた。
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15506630517136
これは
- 社会階層分断が進んでいる
- 昔(戦前?)に戻ってきている
ということだろうか。
旧制中学は12歳から16歳までの5年間。
私が卒業した高校もしばらく前に中高一貫になった。学校の前身が旧制中学だったのでそのルーツに立ち返ったのかもしれない。
高校生のころ、高校が無駄だなあとずっと思っていた。 大学受験の勉強ばかりで、将来やる仕事の勉強が全然できないからだ。 中高一貫というのは今中学校が高校受験勉強ばかりになってしまって、将来の仕事に関することが全然学べないのを回避するためなのかな?
そうなると中学校受験が過熱して、まだ自分で人生の選択ができない幼い子供たちが受験戦争にさらされることになるし、家庭の事情などで小学生で中高一貫校を受験できない子供たちにとっては今より早く将来の選択肢が狭まることになるのではと思う。
私が卒業した高校はその地域ではトップ校だった(現在は違うかも)。地元に残った卒業生は将来地域の会社や役所でリーダー的立場になることも多かった。 高校生の頃、何人かの先生に昔話を聞かされた。その先生たちも同じ高校の卒業生で、大学を出た後に母校に戻って先生になり後輩を教えていた。
「私が高校生だったころ同級生にいつもぼろぼろの服を来ている人がいた。ベルトもなくて縄でズボンをとめていた」
「高校生だったころすごく成績がよくていつも1番の奴がいた。でも家は農家で高校進学を反対されていた。農家に高校は要らないからと。1番をとりつづけることが高校に通う条件だった。そいつはある時2番になってしまい高校を辞めされられてしまった」
当時の私は「昔はそんなことがあったんだな」程度にしか思えなかった。私が高校生だったころはまだ日本に高度成長時代の余韻が残っていて、今ほど厳しい世の中ではなかった。
だが、今にして思えば。
その高校は制服がなく私服通学だった。私は自由で良いことだと思っていたが、制服がないということは服装に家庭の経済状況が現れてしまうことを意味する。 どんなに優秀であろうとも家庭の事情、親の考えで高校に通えない人がいる。
ということをその先生は後輩たちに、将来地域のリーダーになるかもしれない高校生たちにどうしても伝えたかったんだろう。まだ若い高校生の時は実感がなくても将来それなりの立場になった時にこの話を思い出すように言い聞かせたのだなと思った。
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b_message31_03.html
東京大学の卒業生は将来日本を率いるエリートになる人たちである。東京大学は彼らが未来のリーダーだからこそ上野氏からあの祝辞を送らせたのだと思う。